Q9. 消費税の課税事業者
私は、個人事業(八百屋)を営んでおりますが、令和元年分及び2年分の売上(全て店頭での売上です。)は、各年1,030万円でした。今まで消費税の課税業者になったことはありません。また、お客様からは、消費税を戴いており、売上高は消費税込みの金額です。
このような状態ですが、令和3年分の申告から、消費税の課税事業者となり、消費税を納めなければならないのでしょうか?
基準期間の課税売上高が1,000万円を超える事業者は消費税の課税事業者となります。
あなたの場合、令和3年分の課税期間に対する基準期間は、令和元年分であり、この期間における課税売上高(基準期間において消費税の課税事業者である場合には税抜き金額で判定しますが、この期間は免税事業者であったため、消費税込みの金額で判定します。)が1,030万円で、1,000万円を超えていますので、消費税の納税義務者となり、消費税を納める義務が生じます。(消費税課税事業者届出書の提出が必要です。)
また、仕入税額控除については、簡易課税方式(選択適用であり、届出書の提出期間制限があるので要注意)と、原則課税方式とがありますので、実情に合わせて、よくご検討ください。
なお、令和3年分の税込み課税売上高が同じく1,030万円でしたら、令和5年分の基準期間(令和3年分)の課税売上高は、約953万円(1030万円×100/108)ですから、納税義務はありませんのでご注意ください。(消費税の納税義務者でなくなった旨の届出書の提出を要します。)
基準期間における課税売上高は、原則として、個人事業者の場合は前々年の課税売上高のことをいい、法人の場合は前々事業年度の課税売上高のことをいいます。基準期間が1年でない法人の場合は、1年相当に換算した金額により判定することとされており、具体的には、基準期間中の課税売上高を、基準期間に含まれる事業年度の月数で割った額に12を掛けて計算した金額により判定します。
新たに設立された法人については、設立1期目及び2期目の基準期間はありませんので、原則として納税義務が免除されます。しかし、基準期間のない事業年度であっても、その事業年度の開始の日における資本金の額又は出資の金額が、1,000万円以上である法人や特定新規設立法人(※)に該当する法人の場合は、納税義務は免除されません
(※)特定新規設立法人とは、平成26年4月1日以後に設立した新規設立法人(その事業年度の基準期間がない法人で、その事業年度開始の日における資本金の額又は出資の金額が1,000万円未満の法人)のうち、次の1、2のいずれにも該当する法人です。
1 その基準期間がない事業年度開始の日において、他の者によりその新規設立法人の株式等の50%超を直接又は間接に保有される場合など、他の者によりその新規設立法人が支配される一定の場合(特定要件)に該当すること。
2 上記1の特定要件に該当するかどうかの判定の基礎となった他の者及びその他の者と一定の特殊な関係にある法人のうちいずれかの者(判定対象者)のその新規設立法人のその事業年度の基準期間に相当する期間(基準期間相当期間)における課税売上高が5億円を超えていること。